[神戸女学院中学の攻略]中1の定期試験対策と勉強法

◆中1生のための神戸女学院中学の英語◆
使用教材と授業スタイルについて
神戸女学院中の英語の授業は、他校と比べて異彩を放っています。女学院中では「英語を英語で学ぶ」ことが徹底されており、教材はほぼ全て英語で書かれたオリジナルプリント、授業の進行・生徒に与えられる指示も原則として英語です。また「英語を実用に即して学ぶ」ことにも主眼が置かれています。最初は学習した文法事項をドリルで演習しますが、すぐに「絵を見て状況を描写しなさい」「以下の構文を用いて質問に対する答えを書きなさい」など、会話・英作文を中心にした活動が主になりましたね。
とはいえ、最初の進度はそれほど速くありませんでした。1年生の1学期のうちは、正しいつづり方・発音を身に付けることに主眼が置かれており、発音記号と正しい発音、単語のスペルを徹底して叩き込まれたはずです。「絵を見て単語を答える」「発音記号を見て単語を答える」といった活動が続くので、英検取得者にとっては単調かつ退屈だったかもしれませんが、前回、そして今回の2学期期末考査の勉強ではそう言っていられなかったのではないでしょうか。定期試験のリスニングでは、聴き取った英文を英語で表記する“Dictation”が求められることがさらに増えてきますので、1学期に行なった発音練習を疎かにしてはいけません。
1学期で音とつづり、英作文の基本ルールをマスターして、2学期開始時より本格的に英文法の学習が始まりました。文法項目の分類・序列は、日本で発刊されているテキストのそれとは異なる部分が多いのですが、これも女学院の伝統と割り切って受け入れることが必要です。
参考として、以下に中1女学院の年間の授業進度の例を示しています。特に今後の単元をチェックしてみましょう。
英語 | |
~1学期中間 | ・アルファベット・英作文のルール・発音記号 ・単語の学習・be動詞の文 (this / that is ~) |
1学期中間 ~1学期期末 | ・be動詞の文(these / those are~) ・前置詞・疑問詞 (where, what) ・形容詞・助動詞 (can)・命令文 |
~2学期中間 | ・疑問詞 (what time~)・一般動詞 ・比較・未来の文 |
2学期中間 ~2学期期末 | ・接続詞・助動詞 (may, should) ・be動詞・一般動詞の過去形 |
3学期末まで | ・形容詞(+比較の復習)・感嘆文 ・不定詞(名詞的用法のみ)・読解問題 |
これまでの定期試験について
①ある程度までは、単語力がモノを言った:
定期試験までに授業で教わる単語は、基本的に発音記号・つづり・日本語の意味、全てを覚えるよう努力しましょう。特に1年生の間は、定期試験の中で単語が占める割合が非常に多いです。結果、初期(1学期~2学期)の定期試験ではスペルミスが点数の良し悪しを分けました。この時期は、単語を正しく綴ることが最重要課題です。オリジナル教材に登場した単語はもちろん、先生が授業内で言及された単語までもすべて覚えるつもりで授業に臨んでください。さらに、発音記号の問題も毎年出題されています。単語を調べる時は意味や綴り字だけでなく、発音記号とアクセントも確認してください。それには「英和辞典」が必要です。辞書を引く習慣があるかないかが、将来的に英語が得意になるか否かの分かれ道です。
② やはり日々の授業を大切にすることが、高得点の第一歩:
1学期の中間試験ではbe動詞(現在形)の肯定文/否定文/疑問文(および、その応答文)が主な試験範囲となりました。主語の人称によるbe動詞の活用(am/are/is)を確認することはもちろん、不定冠詞の使い分け(a/an)、名詞の単数・複数に注意できているか今一度気を配りましょう。
期末試験では、疑問詞/命令文/現在進行形/助動詞(can)あたりまで出題されました。いずれも単独項目だけでなく、複合的・有機的な形式が多く見られます。例えば、疑問詞と現在進行形が融合したWhat are you doing now?等です。現在進行形では「(be動詞)+(現在分詞)」の形を取るので、主語の人称、単・複によりbe動詞が変化します。つまり、be動詞の活用が身に付いていて初めて先の英文を書くことができるのであり、それが得点に繋がるわけです。
女学院の授業は同じ文法単元を繰り返して練習しつつ、既存の知識の上に少しずつ新しい事項を塗り重ねていくという形を取っています。従って、試験前に一人で勉強しようとしても大変効率が悪く、ヌケモレが多々出てしまいます。定期試験で高得点を取るには、日々の授業は完全に理解した状態でいなければなりません。特に授業は指示も説明も全て英語ですから、「一体この授業では何をやっているの?」という状態に陥らないよう、不明な点はその都度解決して、試験まで持ち越さないようにしたいものです。
③リスニング対策は日々の学習から:
女学院の試験では必ずリスニングが課されます。1年生1学期の聞き取りテストは、それほど難しいものではなかったと思います。とはいえ、聴き取りができても、正しく設問に答えられなければ得点にはなりません。聞き取れはしたけど綴りが違った、答えを勘違いした、肝心なところが聞けたか自信がない…という状態では、学年が上がるとすぐにリスニングが苦手になってしまいます。外国語は全身を使って習得するものです。今のうちから「英語は目で見る・耳で聞く・手で書く・声に出す(音読)」といった習慣をいち早く身につけましょう。自分で行なう学習のうちにこの習慣が組み込まれた生徒は、リスニングはもちろん、会話も比較的スムーズにできるようになるでしょう。
④各自の見直しポイントを見つける:
限られた時間内で単語や英文を正確に書くには、日頃から自分が間違えやすいポイントを知ることが必要です。これまでの試験は出題範囲が狭いため、点を取りこぼす原因はケアレスミスだと言っても過言ではありませんでした。ふだんから、答え合せをする前に見直す癖をつけ、「わかっていたのに間違えた」箇所をなくす注意力を高めましょう。結局のところ、英語の点差は「注意力の差」なのです。「今回はたまたま間違っただけ」、「本番では大丈夫」、そんな言い訳をよく耳にしますが、そういう生徒は必ずと言っていいほど、本番でもミスを犯すのです。自分のミスを謙虚に受け止め、その傾向を把握し、たゆまぬ努力を続ける。これこそが語学の王道です。
3学期学年末考査に向けた対策
学年末試験の前に、神戸女学院では英数国に関しては中間考査と位置付けても良いテストが実施されています。コロナにより中間を実施しない可能性もありますが、もし実施される場合は冬期課題のプリントがその範囲となります。また、これまでの復習もしっかりと行なわなければなりませんので比較の復習をはじめ、不定詞の名詞的用法の使い方、そして授業配布プリントで扱われる読解問題を定着させていきましょう。要求されるディクテーションの分量もかなり増えますので日頃からの鍛錬が必要です。
◆中1生のための 神戸女学院の数学◆
2学期期末試験の分析
2学期期末試験では,これまで通り,代数(木村先生),幾何(大村先生)の2つの試験が実施されました。
代数は中2数学範囲の「1次関数」が試験範囲の大部分を占め、「連立方程式」の文章題が末尾に1問加わる形でした。代数の試験では基本問題といわれる問題の出題は少なく,また,難解な実力問題もほとんど出題されていません。8割ほどが標準~やや発展レベルの問題です。大問4・5・7・9はやや発展レベルの問題ですが、小問に区切って誘導が付けられているため、順を追って素直に解いていけば解きやすい構造となっていました。平均点が72.4点というところから考えても,内容をよく理解していれば点数を取りやすい試験だったと考えられます。
幾何は中2数学範囲の「三角形と四角形」,中3数学範囲の「相似な図形」が試験範囲でした。問題数は非常に少なく,55点分は証明に関する問題や説明を要求されている問題であり,計算結果ではなく,過程が重視されています。三角形の合同条件,相似条件,平行四辺形になるための条件や,平行四辺形の性質など,必要事項はすべて理解した上で,残り45点を確実に確保したうえで、記述問題に取りかかりたい試験でした。普段から証明を書けるように訓練を積んでいるかが問われています。大問4の説明問題、大問7の証明は差がついたポイントと考えられます。
学年末試験の対策
代数の期末試験範囲は中3数学範囲の「展開・因数分解」,「平方根」だと予想されます。この範囲は考え方よりも計算力が問われます。定期試験では学校で採用されている問題集「STEP演習数学(数研出版)」よりも難易度が高い問題が多く出題される可能性がありますので,「チャート式 体系数学(数研出版)」などのハイレベルな問題集で対策をしておくことが重要です。
幾何の期末範囲は「相似と線分比」,「円」だと予想されます。特に証明問題は学年末試験でも出題されると予想されます。計算問題は「STEP演習数学(数研出版)」を繰り返し解いておくことが最も重要です。証明問題では与えられた条件から結論を導くまでの論理的な思考力が求められています。解けなかった問題はただ答えを写すのではなく,なぜそのような筋道をたどるのかを考えるようにしておきましょう。
コラボでの指導法
現在、神戸女学院は専用の準拠クラスを設置しておりませんので、総合クラス(集団授業)で大学入試を見据えた先取りの学習を進めるパターンか、個別指導で学校に合わせた学習をしていくパターンかに分かれます。いずれの場合も授業においてはコラボ専用テキストを主として使用しており、テキストには学校教材よりも少しレベルの高い問題も収録しています。こうした応用問題で実力を養うことが、学校試験の応用問題で得点することに繋がります。
定期試験前には中1女学院の生徒さま対象に予想問題を用いた演習を行っています。 以下は、1学期中間考査・期末考査前に配布した予想問題と、実際の考査で出題された問題との比較です。学校独自の傾向を掴み、教材や課題の内容をチェックした上で予想問題を作成するため、本番の試験に近い問題で演習していただくことが可能です。
